子どもの自己肯定感

子どもが勉強しない原因は「自己効力感の低さ」勉強へのやる気を高める解決策も紹介

  • 子どもが勉強しない
  • すぐに勉強を諦めてしまう
  • 得意ではないから仕方ないか…

と悩む親も多くいらっしゃいます。子どもが勉強しない原因の一つに「自己効力感の低さ」があるかもしれません。今回の記事では子どもが勉強しない原因を心理学的な観点から解説し、親としてできるサポートについても解説します。

子どもが勉強しないと悩む親は多い

ベネッセ教育総合研究所による最新の調査では、親の半分以上が子どもの学習習慣の定着について課題を感じています。

またYahoo知恵袋でも、子どもが自発的に勉強しないという問題に関する質問がたくさん寄せられています。例えば「子どもが自主的に勉強するようになるにはどうすればよいのでしょうか。なかなか勉強に取り組まない子どもに、自身の学力への危機感を持ってほしい…」という悩みも投稿されていました。

上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では子どもが勉強に取り組まない原因と、それを解決するための方法についてお話しします。

参考:

小中学生の学びに関する実態調査
Yahoo知恵袋

子どもが勉強しない原因

子どもが自主的に勉強に取り組まない背景には様々な要因が考えられます。以下では親からのサポートにより改善が期待できる問題と、子ども自身の心理的な問題に分けて解説します。

親からのサポートが不足しているケース

イギリスの児童・学校・家庭省の研究によると、子どもの学業面の成果には、親の関与度が大きく影響しているということがわかっています。親がどれだけ子どもの教育に対して関心を寄せ、積極的に関わるかが、子どもの成績に大きな影響を及ぼします。

たとえ仕事などが忙しくても、子どもの学習への関与を軽視してしまうと、子どもが勉強する上で何を理解していないのか、どのように勉強しているのか、またはどのような勉強方法が子どもにとって最適なのかがわからないでしょう。まずは親自身が、自分がどれだけ子どもの学習に関与しているかを振り返ることから始めましょう。

参考:The Impact of Parental Involvement on Children’s Education

子どもの自己効力感が低いケース

親からのサポートがあっても改善しないと悩む方もいらっしゃるかと思います。この問題には、子どもが勉強に集中できないときの心理状況に焦点を当てて考えることが重要です。

子どもの勉強への集中が続かない場合、自己効力感が関連しているかもしれません。

自己効力感とは「目標を達成するための能力が自分にある」と思うことですが、自己効力感と勉強への意欲は密接に関連しているということが、オーストラリアのディーキン大学心理学部による研究でわかっています。

研究によると、自己効力感が高い人は、自分が目標を達成できるという信念を持っており、そのために必要な努力を惜しまない傾向があります。一方、自己効力感が低い人は、目標達成に対する信念が弱く、勉強への意欲も低下する傾向があるといわれています。

参考:The Influence of Academic Self-Efficacy on Academic Performance: A Systematic Review

子どもが勉強に集中するためのヒントは「高い自己効力感」

先ほど自己効力感について紹介しましたが、勉強のやる気にもつながる自己効力感を促すために必要なアプローチについて解説します。

世界で最も引用されている研究者の一人アルバート・バンデューラ教授は心理学など多くの分野に影響をもたらした人物ですが、そのパンデューラ教授の研究によれば、自己効力感を高めるためには、以下の4つが必要といわれています。

目標を達成した経験を積み重ねる

バンドゥラ教授によれば、子どもが自己効力感を持つための一番効果的な方法は「経験による習得」と述べています。つまり、自分の力で目標を達成したり、困難を乗り越えたりする経験によって、自己効力感が生まれます。

例えば、宿題を時間内に終わらせることができたり、テストで高得点を取らなかったとしても、以前よりも高い点数をとるなど、自分で立てた目標を、自分の努力で達成することで自己効力感を得ることができます。

ただし、ここで注意したいのは、あまりに簡単な成功体験を積み重ねると、子どもがすぐに結果を求めるようになり、困難に直面した際にすぐに挫折してしまう傾向があるという点です。

そのため、ただ単に成功体験を積むだけではなく、困難に立ち向かい、乗り越える体験も大切にしましょう。

親として子どもの失敗を避けたいと思うかもしれませんが、その思いが子どもの自己効力感を育む機会を奪う可能性があります。子どもが困難を自分で乗り越えることは、自己効力感を促進させる上で重要な機会になります。

お手本となる人を探す

自己効力感を促進させる一つの手法に、子どもと共通点が多く、かつ成功している人を「お手本となる人」として意識することです。

これは、子どもが自分に似ている人が困難に立ち向かい、成功したり目標を達成する様子を見ることで、自分自身も同様に目標を達成できるという信念を持つようになるためです。

私たち大人も身近な人がチャレンジして上手くいっている時に「自分もやってみようかな」と思うことはよくあるのではないでしょうか。

お手本となる人は実在する人でもよいですが、本や映画、アニメ、インターネット上の情報でも問題ありません。子どもにとって身近で共感しやすい人を見つけることが重要です。

子どもにとって信頼できる人からの励まし

子どもにとって信頼している人から「君なら目標を達成できるよ」という励ましをもらうことも自己効力感を促進させる方法の一つです。

例えば、両親や友人など身近で信用している人からの「きっとできるよ」という言葉は、子どもの自己効力感を高めるために効果的でしょう。

また、子どもが勉強などで困難に直面したときでも「この問題も難しいと思うけど、あたななら頑張れば解けると思うよ」と励ましの言葉を添えるだけでも効果的です。

また、子どもが新しい挑戦をしたり、上手くいかなかったときでも、挑戦したこと自体を褒めたり、失敗したときにはその努力のプロセスを肯定してあげるようにサポートしましょう。

感情や体調のケアも

メンタルや体調がすぐれない状態は、自己効力感にも影響します。体調がすぐれないときや疲労感が強いときには、大人でもネガティブな気持ちになりますよね。

気分がすぐれない状態が続くと、自己効力感に悪い影響を及ぼし、目標をすぐに諦めたり、新たな目標を設定することに対して消極的になる傾向があります。

そのため、親も子どものメンタルや体調についてケアすると同時に、子どもも疲れたら休むなど、自分でケアできるようにサポートしてあげましょう。

参考:Albert Bandura: Self-Efficacy & Agentic Positive Psychology

まとめ

「勉強しなさい」と何度伝えても効果がなく、悩んでいる方も多いと思います。実際に勉強を習慣化させることは難しいことですが、子どもの立場や心理状況を考えながら、親としてできるサポートを実施することで、子どもの勉強の習慣化が期待できます。

ABOUT ME
この記事の監修者 - 井上 顕滋
31年の経営者経験を持ち、主に教育系メディア事業、人材育成企業、子どもの非認知能力強化プログラム「Five Keys」を運営する財団法人、飲食事業などを経営。 人材育成のキャリアは社員教育からスタートし、成果を上げる中で多くの経営者から問い合わせが増加し、2004年に人材育成企業「リザルトデザイン」を設立。 クライアントの業績に大きく貢献する中で、社員の成果には個人差があることを痛感し、その原因を解明するため、世界的権威である研究者および実践者から最新の心理学と脳科学および「人の心に変化を生み出す最先端技術」を徹底的に学び、実践を重ねた結果、成果とモチベーションの向上を可能にするリザルトプログラムを開発。 また上記「成果の個人差」の真因と、満足度の高い充実した人生を送れるかどうかの鍵が、幼少期(12歳まで)の「親の関わり方」と「与える教育」にあることを発見し、親への教育講座を開催。
子育てのとびら編集部
明日から実践できる子育てに役立つ情報を発信していまいります。